破傷風菌
土壌に潜み、傷口から感染。
ワクチンを接種していないと感染した場合に高い確率で発症します。菌の毒素でけいれんや口が開かないなどの症状がおこり、死亡することもあります。死亡率は約30%と非常に高く、新生児は特に危険です。
ジフテリア菌
飛沫感染:くしゃみ、せき、会話などで菌を含む飛沫が飛び散り、これを鼻や口から吸いこむことで感染します。
ジフテリアは、高熱やのどの痛み、犬が吠えるようなせき、おう吐が症状です。気道に偽膜ができ、窒息死することもあります。死亡率は平均5~10%です。心筋炎や、末梢神経炎をおこすことがあります。
百日せき菌
飛沫感染:くしゃみ、せき、会話などで菌を含む飛沫が飛び散り、これを鼻や口から吸いこむことで感染します。
百日せき菌による感染症でかぜ様症状ではじまり、特有のけいれいんのようなせき発作があらわれ、回復に2~3ヶ月かかります。近年ではワクチン効果が減弱した青年・成人層の感染が問題となっています。感染力が強いのでワクチン未接種の乳幼児が感染すると重症化し、肺炎や脳症などになる場合があります。
ポリオウイルス
便中に排泄されたウイルスが手につき、口から感染。
ポリオ(
急性灰白髄炎
)は、ほとんどの人は
不顕性感染
で無症状ですが、約1000人に1人程度は神経が侵されて、手足に麻痺(小児麻痺)がでて、半数の患者さんに後遺症が残ります。呼吸障害、
嚥下障害
、発語障害を伴うこともあります。死亡例の多くは急性呼吸不全によるものです。
日本国内では最近は発症者がでていませんが、世界の一部の地域ではまだ流行しています。日本に持ち込まれる可能性があるので、予防接種は必要です。
ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Hib:Haemophilus influenzae b型)
飛沫感染:くしゃみ、せき、会話などで菌を含む飛沫が飛び散り、これを鼻や口から吸いこむことで感染します。
ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)という細菌によっておこる感染症で、毎年冬に流行するインフルエンザウイルスによる感染症とは違います。
このヒブにより細菌性髄膜炎、急性口頭蓋炎、肺炎などの重篤な感染症がおきます。5才未満の子ども達がかかりやすく、0~1才が最も髄膜炎にかかりやすい年齢ですが、1才を過ぎても4才までは注意が必要な感染症です。ヒブによる髄膜炎はヒブワクチンが発売される前は年間600人発症していました。感染症の約30%は、難聴や発達障害、神経障害などの重度の後遺症が残ることがあります。
細菌性髄膜炎の2大原因菌として「ヒブ」と「肺炎球菌」があげられています。細菌性髄膜炎の初期症状はかぜと区別がつきにくく、治療では耐性菌が多く抗生物質が効かないこともあり、ワクチンによる予防が最も重要です。
接種部位の
発赤
、腫れ、しこりなどができることがあります。
また全身症状として発熱、下痢、せき、
発疹
、食欲減退などが報告されています。
ほかの予防接種は1週たてば受けられます。